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菅定展
時間をなぞる

statement

速さや効率が求められ、情報が絶え間なく流れていく現在の社会に、私はあえて「非効率な時間」を差し出したいと考えています。

一本の線を目でなぞり、分岐で立ち止まり、行き先を考える。迷路を進むためには、そうした時間が必要です。それは、効率よく答えにたどり着くこととは異なる、自分自身の時間を使う行為です。

私は2023年8月22日から、迷路を毎日一枚ずつ描き続けています。一日一枚というルールは、作品を生産するためだけのものではありません。毎日、自分自身の時間を社会の中に差し出し、その時間を誰かと共有するための行為でもあります。

では、なぜ迷路なのか。

私にとって迷路は単に、「解くためのもの」ではなく描くことと見ることをつなぐ装置です。

迷路を進む人は、画面に描かれた線を目でなぞりながら、自分自身で道を探します。その「なぞる」という行為は、形を追うだけではありません。線が描かれた速度や緊張、手の動き、そこに費やされた時間を無意識のうちに追体験することでもあります。

描き手が費やした時間は、見る人の時間へと引き渡される。そこに、絵画を見ることの一つの可能性があると考えています。

迷路には正解があります。しかし、間違えた道を進んだ時間や、立ち止まって考えた時間も、その人自身の経験として残ります。

私は、絵画もまた、効率よく答えへ向かうためのものではなく、見る人それぞれの時間を生み出すものでありたいと思っています。

毎日描き、毎日公開する。その積み重ねによって、一人の人間が費やした時間は、誰かが見る時間へと変わっていきます。

描いた時間、見た時間、なぞった時間、そして誰かと共有した時間。

私にとって「毎日の積層」とは、作品の数だけではなく、人と人の間に生まれる時間の積み重ねでもあります。

11月14日 土曜日 16:00~

アーティストトーク

「絵を見ること描くことについて」

4月にMahorobaで個展を開催した中森碧さんを交えて、絵を見ること描くことへの興味や関心を、楽しく深掘りしていきます。

11月14日 土曜日 17:00~

レセプションパーティー

Gallery Mahoroba

企画:ARTまほろば株式会社

開廊時間/13:00–18:00(最終日は16:00まで)
休廊日/月・火曜日

〒062-0023
札幌市豊平区月寒西3条7丁目1番3号
Tel: 011-855-5744

<アクセス>
・地下鉄をご利用の場合
地下鉄東豊線「月寒中央」駅 3番出口から徒歩8分

・お車をご利用の場合
札幌中心部から30分 駐車場4台

Sadamu Kan

菅 定

1970 愛媛県生まれ
1996 愛知県立芸術大学大学院油画専攻修了
2005 北海道に移住
2022 4月より札幌市在住

<個展>

2025「菅 定の毎日迷路」
 札幌文化芸術交流センター SCARTSスタジオ1/札幌

2024「菅 定の目々の迷路展」カフェ・エスキス/札幌

2015「菅 定の昆虫細密画展」さいとうギャラリー/札幌

2014「木版フロッタージュの菅 定展」さいとうギャラリー/札幌

2013 菅 定展「木版フロッタージュの世界」カフェ・エスキス/札幌
 菅 定展「鏡の裏側」さいとうギャラリー/札幌

2011 菅 定展「手の版画」時計台ギャラリー/札幌
 個展 iwamizawa90°/岩見沢

2010「N.P.blood21 vol.5 菅 定展」北網圏北見文化センター美術館/北見
 北見市内のカフェにて継続的に新作を展示
 (CAFE AND6/21 ~ 7/28、7/29 ~ 8/28、
 .has café 9/4 ~ 10/6、10/7 ~ 11/4)

2009 作品展示およびオープンアトリエ 緋牛内事業所/北見

2007 菅 定展「部屋の中」時計台ギャラリー/札幌
 菅 定展「部屋の中 100枚の絵」カフェ・エスキス/札幌

2006 菅 定展「足形・絵画」NHKぎゃらりー(ほっとすぺーす)/北見
 菅 定展「painting」大同ギャラリー/札幌

2005 菅 定展「足形・構成」カフェ・エスキス/札幌

2003 個展 エビスアートラボ/名古屋

2000 個展 Gallery A P A 2F/名古屋

1999 個展 豊田市美術館ギャラリー/豊田

1998 個展 長久手町立文化の家/長久手

1997 個展 T's ギャラリー/名古屋

<グループ展>

2026「Expression18 人のアーティスト、それぞれの視点」
 Retara S P A C E/札幌

2024「New Point」さいとうギャラリー/札幌

2017 第4回 日韓交流展 福岡アジア美術館ギャラリー/福岡

2016「木版の造野由美子と菅 定展」さいとうギャラリー/札幌
 小田啓介・宮地兵庫・菅 定 3人展 大通りビッセ/札幌

2015 第3回 日韓交流展 海雲台文化会館/釜山 韓国

2014「New Point」大同ギャラリー/札幌 ※2013、2012、2007、2006も参加

2013 第2回 日韓交流展 福岡アジア美術館ギャラリー/福岡

1999 谷口雅子・菅 定 2人展 名古屋市民ギャラリー/名古屋

<受賞歴>

1992 年全国大学版画展作品買い上げ(町田市国際版画美術館)
 別府現代絵画展 準大賞(別府市美術館)

<コレクション>

別府市美術館、町田市国際版画美術館、長久手図書館、福祉法人川東の里

菅定は2023年8月22日より、毎日1枚の「迷路」を描き続けています。ひたむきに繰り返されるその行為は、現代アートに対峙するための修行のようです。

鑑賞者が「迷路」の線を追うときに、作家が描くことに費やした時間と行為が無意識のうちに追体験されます。菅は、描き手の時間が見る人の時間へと引き継がれ、表現が観客自身の体験へと変容することに、「絵画を見る」という行為の可能性を見出しています。

日々を生きる私たちもまた、自らが描き出した「迷路」の中に迷い込んでいるのかもしれません。ギャラリー空間を埋めつくす、多様な迷路をたどりながら、あなた自身の新たな抜け道を見つけていただければ幸いです。

Gallery まほろば